アンテナを張っておこう
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日本はハンコ社会、外国はサイン社会の国が多いとか。
「サインでいいですか」といっても認めてもらえることは少なく、
印鑑でお願いしますと言われることが多い。
女性ならハンドバックに入れて持ち運ぶのであろうが、
男の場合、太い印鑑をもち運ぶにはいささか抵抗があるのが現実ではないかと思うが、
私は印鑑を持ち歩いている。それには、理由がある。
30年ほど前になるであろうか、遊びで広島に行った時のことである。
駐車場が見当たらず、市民球場近くの公園に路上駐車の列があったので、
みんなが止めているなら10分ぐらいなら大丈夫だろうと思い、
路上駐車をして市民球場まで出かけた。しかし、予定の時間が延び、
40分ぐらいになってしまった。急いで、車を置いたところに帰ったが、
レッカー車が車を運んでいるではないか。運搬作業は手前までで、
レッカー移動は運よく免れたものの、駐車違反切符はしっかり切られていた。
例の如く、警察官に必要事項を書かされ、最後に印鑑を押して下さいと言われた。
しかし、持ち合わせの印鑑はなく、サインではだめかと言ったが認められず、
母印を押すはめになった。母印を押すという屈辱的な気持にはもう成りたくないと、
このときから印鑑を持つようになったのである。
印鑑を財布の入れて持ち運ぶには大きすぎ場所をとるので、
財布に入る印鑑はないものかと探していたら、20年ほど前のことであるが、
先を2ミリぐらい輪切りにし、ステンレス板に接着したものを、東京の書店で見つけ購入した。
それ以来、この印鑑に変えて持ち歩いているが、薄く財布に入れても場所はとらないものの、
購入してすぐにステンレス板から剥がれてしまい、押印する時に手が汚れたりして苦労していた。
剥がれる度に瞬間接着剤で接着を繰り返したが、
一時的にはくっつくが、すぐに剥がれるので、使用時には、
朱肉で手を赤く染めることを繰り返していた。
昨年だったか、「がっちりマンデー」という番組を見ていたら、
従来の瞬間接着剤とは違い、弾力性を持ち、
瞬間接着剤と同じ程強い接着剤を開発したと言うことを、
「セメダインの社長」さんがおっしゃっていた。瞬間接着剤ではないが、
時間が10分ほど経過すると粘着性が出てきたら接着するというものですと。
私にとって長年のテーマであった、印鑑が剥がれない接着剤になるのではと思い、
早速、ホームセンターで購入した。
なんとなんと、数か月経過したが、今も落ちずにくっついている。
長年の問題が解決したのである。
硬いということと柔らかいとは相反する性質ですが、硬いと割れやすく脆い、
柔らかいと潰れてしまうことになる。
しかし、うまく組み合わせるとこんなにいいものが生まれてくる。
接着剤の理想の形を実現したとか。(写真はその接着剤と印鑑です。
この接着剤、色々な材質を接着すると説明書には記載してあります。)
問題点はいつも頭の中に整理しておくと、
何かのきっかけで一気に解決することがあります。
輪切りの印鑑と薄いステンレス板が応力のかかり易い
財布の中で接着を保ち続けるという従来からの問題を解決することができたのである。
なんとかならないか、粘り強く関心を持ち続けたことが改善へと繋がったのである。
今回の接着剤の利用は小さなことであるかもしれないが、
危険ケ所などの改善等をアイデアがないと諦めずに、
なんとか改善しなければといつも考えていることが、
思わぬアイデア情報に出くわすかのではないでしょうか。
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