服装の乱れで想うこと
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服装の乱れで想うこと
ひとつは、カナダのカルガリーでの冬季オリンピックで問題となったスノーボードの国母選手の服装である。飛行機でカナダに入国した際、日の丸の付いた選手団の制服を着ているのにもかかわらず、腰パン、シャツ出し、ネクタイ緩めの姿のままで出てきたことだ。本人にとっては、ボーダーのファッションとしての着こなしのつもりであったのであろうが、だらしない服装と映り、この姿に非難が集中し、国民の関心の的となり謝罪の記者会見を開くまでに至った。
そして、謝罪会見の様子が、ニュースやワイドショーで放映された。その中で、「チェうるせえな」というつぶやきが本人にとっては不本意ながら高感度マイクで拾われ、また「反省してまーす」という真剣みのない謝り方がクローズアップされ、反省などしていない、やっぱりと態度の悪い選手だということになった。どうして国民の税金を使ってまでこんな選手をオリンピックの代表に選んだのかなどと、非難の集中砲火をあび、帰国させるべきだという声がマスコミなどに掲載された。結局は、日の丸の可能性があるので帰らすわけにもいかず、団長の責任で残留し出場することになった。現に、オリンピック後のアメリカの大会では優勝をしており、実力はある選手である。
もうひとつは、島根の開星高校の監督が、高校春の選抜野球の試合後のインタビューで、余程悔しかったのであろう、「21世紀枠に負けて末代までの恥」と発言し、非難を浴びたことである。そして事態収拾のため、誠意を見せるべく、相手の高校まで誤りに行って、事態の沈静化を図ろうとした。しかし、なんと謝罪に出向いた時の服装は、銀ピカスーツに、黒シャツ、ド派手なネクタイであった。この服装を見て、なんだ、これは反省している人の格好ではないと世間は見てっとったのである。結局は、監督を止める羽目になった。これを聞いて、生徒達は泣いていたという。監督も黒系のスーツにでもしていれば、落ち着くところに落ち着いたのではないであろうかと思うのであるが、間違いであろうか。
人生に失敗はつきものであるが、一対一の場合は、誠意を込めて謝り、反省の念が相手に伝われば許してもらえるのが普通である。しかし、今回のように、メディアが間に入るとワイドショー的になり、関心を集める内容で報道される。自業自得と言えば言えないことはないが、個人にとっては荷が重すぎ、あまりにもかわいそうとしか言いようがない。
とはいえ、これらのことで残念に思うのは、周りにはしっかりとした大人や責任者がいたはずである。なぜ、飛行機から降りるときに、服装を正すように、注意や助言をしなかったのであろうか、また、高校の関係者は、日頃の服装からみて、アドバイスを与え、TPOにあった服装とさせなったのか、気になるところである。ワイドショウをみているのは、一般国民であり、国民目線を意識して謝罪には臨む必要があった。
4月に入り企業では、新入社員を受け入れますが、日本生産性本部が今年4月に入社する新入社員の特徴を分析し、親密になる直前まで心の「バー」がなかなか開かない「ETC型」、人とし、コミュニケーションが苦手な面があるとしている。このため、急いで人間関係を築こうとして新入社員の「心のバー」に衝突しないように「スピードの出し過ぎにご用心」とコメントしている。
しかし、コミュニケーションの方は多少遅れても仕方ありませんが、安全人への猶予はありません。必要な規律は早く正しく伝えていかなければなりません。その中でも安全の基本となる服装を正すことは重要です。服装の乱れは、心の乱れ、災害発生の可能性の警鐘とも取らえられます。鉄は熱い内に打てというが、社会に出た時の新鮮さがある内に社会人のルール、身だしなみを教育することは重要であります。帽子を阿弥陀に被ったり、ヘルメットの顎紐を緩めたりしているようであればすぐに注意が必要である。
若い時に、下着を見せるなと教わった。今は、見せパンだとか言ってわざわざ見せる時代です。そして、平気で、色つきの丸首シャツを襟元から出している時代です。中年の地位ある人でさえにも見受けられる時代です。こういう中で、地球温暖化防止のクールビズとしてノーネクタイが実施されていますが、Vネックの肌着の売上が増えているというニュースが昨年流れていました。まだ、社会全体としては、自分の思っている方向だと安心しました。
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