リスクは負わなきゃ儲からない
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安く売って大きく儲ける戦略
年賀状印刷のピークはもう過ぎたかもしれませんが、
パソコンで年賀状を印刷された方も多いのではないでしょうか。
そして印刷用インキがなんでこんなに高いのかと思われている方も多いのではないでしょうか。
これは、プリンターは安く買ってもらって、その赤字分はインクの利益で穴埋めし、
トータルで儲けるという戦略だからです。
インクの恩恵にあやかっていた身とはいえ、
個人レベルでの費用の問題となるとインク代の高額さにはいささか閉口します。
なんとか、安いインクを使用したいが、
何万円という高機能の高額なプリンターを壊しては元も子もないので、
安い純正でない互換品のインクには手が出せないというのが本音ではないでしょうか。
古いプリンターで互換インクを使用しています
ところで、私は、エプソンのPM―D600という旧式のプリンターを未だに使用しています。
このプリンターは印刷が遅いので、本当はもっと速い機種のプリンターに変えたいのですが、
使い続けるには理由があります。一つは、このプリンターは今まで故障知らずで、
ずっと使用できている点です。そしてもう一つは、安い互換品のインクが使用できる点です。
つまり、メーカーの純正品を使用すれば、1本1000円以上しますが、
100円ショップで購入すれば525円で購入できたからです。
インクの費用が半値ということに魅力を感じて使い続けてきました。
それでも、1枚印刷すると5円近くになりますから、仕事柄、印刷をすることが多いので、
もっと安くならないものだろうかと常々思っていました。
更に安い互換インクをネットで見つけました
ところが、今年の春ごろから、理由は分かりませんが、
この互換インクを100円ショップの店頭に置かないようになり、
インクの購入ができなくなりました。
そこで、インターネットのヤフーオークションで同じようなインクがないものだろうかと調べたのです。
そうすると、驚くことなかれ1本81円という破格の値段で売っているではありませんか。
躊躇することなく、4本セットを3組購入しました。
しかも、ネットの場合郵送料が高くつくというという点が泣き所ですが、
送料はメール便利用で160円、一本当たりに換算すると100円以下です。
早速、使用してみましたが、従来品と遜色ありません。一枚1円程度で印刷できますから、
値段を気にせずにどんどん印刷できるので仕事もはかどります。
(写真はヤフーオークションで購入した互換インク)
チャレンジの努力は喜びを生みます
安い互換インクが使用できるということが実証されましたので、
壊れていたプリンターの代わりに、同じメーカーの同じ機種を購入することにしました。
ヤフーオークションで調べると、1台のジャンク品が出品されており、
説明には、「素人なのでよく分かりませんが、通電はできます。
印字までは確認していませんことをご理解いただける方。」ということでした。
このプリンターを、捨てるつもりの駄目もとで、121円で落札しました。
しかし、梱包料100円と送料1260円が上乗せされますから、
合計1481円でのリスクチャレンジでした。
パソコンにつないでカートリッジをセットし、クリーングをして印刷をかけたのですが、
印字がされません。クリーニングを5〜6回繰り返し、
あきらめかけていたとき印字ができるではありませんか、儲けたと思いました。
世の中は進んでいます
先日、100円ショップのインク売り場に行くと、
もう、互換品のインクカートリッジは並んでいませんでした。
それに代わって並んでいたのは、カートリッジ用の詰め替えインクとリセッターです
(ともに105円)。互換インクの方は高すぎて売れないのか、
更に安い、詰め替え用の互換インクに商品が代わっていたのです。
カートリッジのインクが無くなると、ボトルから詰め替えてをしてくださいということなのです。
しかし、取り外し詰め替えて再セットしても、
カートリッジを認識しないのでICチップをリセットする必要があるということなのです。
インクもリセッターも、勿論、なんでもありの中国製です。
私個人に関して言えば、誠に有難い話です。
これで、100円ショップの店頭からインクカートリッジが姿を消していた理由が分かりました。
チャレンジはまだ先になりますが、早速、黒の詰め替え用インクとリセッターを購入してみました。
1本で3〜5回の詰め替えが可能ということですから、
一枚25銭ほどのインク代になるのでしょうか。
いくらの金額ならチャレンジできるでしょうか
さて、金額的なリスクはいくらまで、賭けることができるのでしょうか。
今、新品で同じ機能のプリンターを購入するとすれば、8000円ぐらいでしょうか。
このチャレンジによってプリンターが故障すれば、インク代とプリンター代がパーになります。
こんな、感覚的な計算で、失敗しても、まあ許せるかとリスクチャレンジの是非の判断はできます。
成功した場合は、なんと言っても1枚10円だったものが1円になるのですから、
ハイリターンが得らます。もちろん情報は集めて判断しなければいけません。
今回の場合は、ネット上で販売がどんどん行われているということを判断材料にするこができました。
利用者が多いということは、信頼できる製品だろうという判断からです。
受け入れ可能なリスクと不可能なリスク
世の中には、過大なリスクに投資して大儲けを狙うというカジノもあります。
大王製紙の元会長のように100億以上というとてつもない金額をカジノに賭けるリスクは別ですが、
常識的な個人がチャレンジできるようなリスクであれば、
リスクに賭ける金額も小さく損失も小さいということになります。
しかし、企業における安全や品質に関していえば、小さなリスクから大きなリスクが存在します。
リスクを賭けなければ、儲からないと言っても、会社の経営を左右するようなリスクや、
人命などにかかわるリスクであれば避けなければなりません。
経営者として、どの程度のリスクならばゆるせるのかを考えておかねばなりません。
個人のリスクは個人で責任を負えばいいのですが、会社のリスクはそうはいきません。
従業員が働き、家族がいます。そうかと言って、企業は成長を続けなければならない、
発展を続けなければならない、そして、儲けて、賞与も出さなければならない。
こうなると、企業の場合には、感覚でリスクを論じるわけにはいきません。
受け入れ可能なリスクと不可能なリスクを綿密な計算で把握しなければなりません。
企業経営に関わる問題は別として、労働環境の面からみれば、
危険性が少なく従業員が安心して働ける職場とするために、
職場のリスクアセスメントを実行し、しっかりとリスク評価し共有化して、
受け入れ不可能なリスクを排除することによって、儲けることが必要なのではないでしょうか。
(※送料160円の「メール便」とは、年間500件利用しますといって郵便局と契約すれば、支店長決裁で価格が決まるとか、まことに有難い限りです。)
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