お客様目線パート2(食洗器修理)
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4年半前に、台所をリフォームし、食洗器付きのシステムキッチンにした。そのシステムキッチンの食洗器の調子が悪くなりスイッチが入らなくなり、洗浄ができなくなった。当然のことながら、すぐにメーカーのA社ショールームに出かけ修理を依頼した。4年半に設置したビルトインの食洗器が故障しました旨を担当者に告げた。A社の担当者は、B社の製品ですので、B社の修理会社の方へ連絡して下さいと修理会社の電話を記載されたパンフレットを手渡された。OEMであるから、修理は専門のB社の修理会社が担当するのだ。B社の修理会社へ電話をすると、型式は、年式はとの質問があった。修理は2日後と決まった。修理前日には電話があり、同じ質問が繰り返された。修理の部品を準備するのでとのことであった。
修理の担当者が訪れ、食洗器のスイッチが入らず、運転不能である状況を確認した。こちらも、故障に至った状況を手短に話した。懐中電灯で食洗器のスイッチレバーの中を覗き込んでいたが、来訪して2〜3分で、だいたい原因がわかりましたとのことである。さすがはメーカーの修理のプロだと感心した。
原因はこうだ。食洗器は引出をきちっと中に納めないとスイッチが入らない仕組みとなっているが、食洗器本体についた突起が引き出し突きささり、引出しのストッパーが本体にセットされ(修理の担当者が持ち帰ったので詳しい機能はわからないが)、レバーを引くとプラスチック板が押し上げられ、スイッチ棒をプッシュする仕組みになっている(ここは説明を受けた)。このレバーによって押し上げられるプラスチック板が割れており、スイッチ棒を押すことが出来なのでスイッチが入らないのだ。
家内の取扱方が粗雑で、壊れ方が早いのかと思い、「取扱方が悪いのですかね」と聞いた。「そんなことはありませんと思います」との返事であった。それにしても、設置して4年半である。いささか割れるのが早すぎるのではと思った。また、こんなところに割れる可能性のあるプラスチックを利用していれば、壊れるのは当然だとも思った。そこで、「また壊れますかね」と聞いた。返事はこうである。「二年前に一枚のものを二枚に分ける仕様に変更しています。恐らくもう大丈夫と思います」とのこと。
修理台を請求された、見積もりもしないで直してしまいましたが申し訳ありませんがと言いながら、修理代金を計算していた。ふと思いつき、4年半で壊れるスイッチである、安全性とは直接関係ないとしても、「リコールの対象ではありませんか」と聞いた。いえ、「対象ではありません」との回答であった。それならば、「安くならないのですか」とも聞いてみた。修理費は部品代2000円、技術料8100円、出張費2100円、消費税610円、合計金額で12810円であった。修理の時間は20分程度であった。何も感じなければ、手際の良い修理であり、さすが熟練した修理のプロだと思うところである。
支払を済ますと担当者は帰ったが、しかし、納得のいかない気持は、時間の経過とともに募った。だいたい、使用回数の激しいところは、それなりの耐久テストをしているはずである。それが通常使用において4年半で壊れたのである。どんな品質テストで品質を確認しているのであろうか。365日使用するものである。耐久テストを十分していなければならない部品であろう。それが4年半での破損である。このような部品は、例えば、10年使用の条件を考慮し、2倍の安全率を考えて耐久テストをしても良いのではないかとも思う。通常の使用方法で壊れる部品についてどういう耐久テストをされましたかと質問したいのである。自動車などは、ファンベルトの耐用を10万キロで交換して下さいと記載している。それでも、10万キロで必ずしもすべての車のベルトが破断するわけではない。安全率は十分みてあるからだろう。
今回の修理で、疑問が2つ浮かんだ。ひとつは、安全に関係なければ、仕様を変えるほどの欠陥?がありながら、リコールの対象とはならないのかということである。スイッチを入れるという基本中の基本である。リコール対象とならないまでも、修理の割引ぐらいはできないものか。また、金額で特に不満に思うのは、修理の技術料である。壊れやすい部品で作っておいて、修理の技術料が8000円とはなんでと思いたくなる。修理会社も独立採算であろうから、部品の欠陥でないたまたまの故障とすれば、人件費のコストを考慮して、妥当な値段であろう。リコールと一般修理の判断基準は何かとも聞きたい。
もうひとつは、A社の対応である。販売後はまったくのノータッチであるということである。製品を売っておいて、OEMなので、メーカーの修理会社へ直接修理依頼して下さいとのこと。安いものではないので、取り次いで、故障の原因を報告させることが必要なのではないかという思いがする。それが本当のアフターサービスではないか。お客様の目線で、対応する必要があるのではないかということである。力関係があり、難しいのかもしれない、しかし、個人は弱いので、修理代が必要ですといわれれば払わざるをえない。しかし、販売メーカーが中に入れば、客の意見、売る側の意見もメーカーに届くのではないだろうか。そうすることが、お客様目線にたった企業になるのではないかと思う。売るだけ売って、その後の状況はわかりませんでは、売る側として問題があるのではないだろうか。
よく言われることだが、「品物は、いつまでも壊れないようなら次の製品が売れない、だから、適当な時期に壊れて買い替えてもらうのが良い」と。修理会社も独立採算制だとすると、適当に壊れて修理があるのが望ましく、雇用の創出にも繋がるだろうと言ったら少し言い過ぎか。
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